縄文杉ソロ登山|往復22km・10時間、50代女性の山行記録
往復22km、獲得標高1600m、行動時間10時間18分。縄文杉への道は、体力の限界を試す旅ではありませんでした。道具と自分の体を、どこまで信頼できるか。屋久島は、それを静かに問いかけてくる場所です。
屋久島の縄文杉コース。往復22kmという未知の世界へ。
訪れたのは2025年10月下旬、台風の影響が少ないベストシーズン。混雑は承知で臨みます。 今回はソロ登山だったので、ペース配分を調整してくれる登山ガイド付きツアーに参加しました。ツアーはVELTRA(ベルトラ)で予約。ホテルまで迎えに来てくれる安心感もあり、4:20ホテルを出発。登山口から下山まで、計10時間を越える山旅を無事に終えることができました。
10時間以上の長丁場、いかに疲労を溜めずに歩き切るか。それがこの過酷なコースへの、私なりの戦略——軽量化です。
メインのザックは軽量防水のholoオーブLX-PAC(520g)。中に大きなビニール袋を入れることでザックカバーを省き、ガイド同行を前提にエイドセットも最小限にしました。屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と言われるほどの雨の島。だからこそ、ティフォン50000を雨具兼シェルとして選びました。防寒着はスタティックのアドリフトクルー(110g)で、とにかく軽く。
縄文杉までの道のり

ガイドさんの説明を聞きながら、8kmあるトロッコ道を歩いて行きます。屋久島の森で出会ったのは、地中深くで冷え固まった巨大な花崗岩が、隆起と侵食で露出した独特の景色でした。「ひと月に35日雨が降る」と言われるほど雨が多い屋久島ですが、この花崗岩を通り抜けた水はまろやかな超軟水。そのまま飲める水場が多く、最小限の飲み物で大丈夫です。ただ、お腹の弱い方は注意して下さい。(私は念のため浄水器を持っていきました)
スタートから約3時間で、ウィルソン株へ。ある特定の場所、(右手の端)から見上げると♥️型に見える空は、何度見ても感動します。大阪城築城のために豊臣秀吉の命令で伐採されたという説もあるこの切り株の中には、木塊(たましろ)神社が祀られており、静かなパワースポットになっています。


そこから2時間ほど登ると、ようやく縄文杉に辿り着きます。現在は柵で囲われ20m程離れているため、体力のある方はぜひ北側展望デッキへ。ここからの眺めは格別です。圧倒的な存在感。デッキは混み合う場所なので、食事は下山時に迷惑にならない場所で取るのがおすすめです。
登りの方がキツいと思われがちですが、下山時は膝への負担に注意して下さい。ツアー参加者の中には膝を痛める方も多く、翌日は参加者の方がまさに「生まれたての小鹿ちゃん」のようになっていました(笑)。行きは足をなるべく上げず体力を温存。自信のない方はストックをオススメします。


自分の目で見つけるということ
縄文杉も感動しましたが、道のりの中で、一番心に響いたのは、道端に静かに佇む一本の「名もなき屋久杉」でした。有名な場所よりも、こういう場所にこそ本質がある気がします。

有名ブランドや流行に流されるのではなく、自分の目で見て、触れて、心から納得できるものだけを選びたい。私の道具選びも、この木との出会いと同じかもしれません。
この日に選んだ相棒
今回、長時間の行程を支えてくれたのは、マイルストーンの「Doo-Bop Hoody」です。10時間以上着続けたのに、一度も不快感がなく、サラサラを保ってくれました。縫い目が肌に当たらないから、長時間歩いても気にならない。こういう細部が信頼に繋がります。

このギアのサイズ感や詳しいレビューはこちら→
縄文杉を目指す方へ
ツアーに参加すれば、装備はそれほど心配しなくて大丈夫です。ガイドさんが基本的なサポートをしてくれるので、初めての方でも安心して臨めます。
個人で行かれる方は【山岳部環境保全協力金】が必要です。バスチケット購入時に案内があります。
日帰り入山:1,000円
山中泊:2,000円
https://yakukan.jp/spot/7006.html
私が実際に歩いてみて「これだけは」と思ったことをまとめました。
行動食は食べやすいものを
10時間を超える山行です。途中で購入できる場所はないので十分な量を準備しましょう。きつい時は食欲が落ちることもあるので、ゼリー飲料や片手で食べられるものがおすすめです。トレイルミックスを自分で作っていくのも良いですよ。
ストックはあると心強い
10時間を超える長丁場、膝への負担が大きいです。体力に自信のない方は特におすすめします。
雨具と折りたたみ傘はセットで
レインジャケット・レインパンツは必須ですが、折りたたみ傘もあると便利です。お弁当休憩中に雨が降っても、傘があれば快適に食事ができます。
トイレ情報
荒川登山口・トロッコ道中間・トロッコ道終点(大株歩道入口)の3箇所にバイオトイレが整備されています。トイレットペーパーは備え付けられていますが切れていることがあるため、水に流せるティッシュを持っていくと安心です。またトロッコ道終点までの間はトイレがないため、携帯トイレも持っていくことをおすすめします。
ツアーのペースについて
トロッコ道は思ったよりペースが早いと感じるかもしれません。不安な方は事前にガイドさんに相談しておくと安心です。
11時の足切りラインを知っておく
大株歩道入口(おおかぶほどういりぐち)を午前11時までに通過することが、日帰り登山の鉄則とされています。法律による規制ではありませんが、安全上の理由から「11時を過ぎたら引き返す」というのが公式なマナーです。ツアーであればガイドさんが管理してくれますが、個人で行く場合は必ず意識しておきましょう。
雨天時の確認方法
屋久島は天候が変わりやすく、登山規制が入ることがあります。前日・当日の朝は必ず確認してください。
【バス運行会社】(遅くとも朝5時には決定。電話でも確認できます)
- 種子島・屋久島交通 屋久島支社:0997-46-2221
- まつばんだ交通バス:0997-43-5000
ソロ登山の方へ
エイドセットは必ず持っていきましょう。ガイドがいても、何かあった時に最後に頼れるのは自分だけです。
コースタイム

これから屋久島を目指す方の山行が素晴らしいものになりますように…
それでは、また次の山で。